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奇祭 (過去の問題歴)


奇祭の2作品目です。ある意味いろいろ考えやすいんですよね。

なんだか長くなったし、難しいなぁ。終わらせ方も乱暴だし。最初の予定と違う方面に行っちゃったし。

楽しんでもらえれば幸いです!^^


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赤尻祭~ きっかけ(19××年。)

尻板神社では過去数回一度も叩かれなかった神男がいる。その一人が、岸 幸平であった。

今回彼が神男となったのは、意図的なものだった。
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当時、まだあまり発展していなかった地元では、都会の雰囲気を嫌う人間が必ずいるとわかっていた岸だったが、仕事の

ために戻った。また、元々おとなしい、いじめられっ子体質の岸は正直戻りたくない気持ちに拍車がかかる。しかし、仕事

に関しては真面目な岸だったために地元に戻るのに決意を示したというわけだ。30歳になり、まさか地元にもどるとは思

っていもいなかったがしばらくは滞在するだろうと地形の変化を調べようと散策を始める。

「相変わらずさびれたところだよなぁー。あんまりいい思い出ないしよぉ・・・」と地元の風景にどんな変化があるかをよく見

ながら散策し、思いふけっていた。少し店の並ぶ商店街通りにでるとようやく人がぞろぞろと歩いている。そこへ一人の男

が近寄ってきた。

「おい!、、、お前、岸じゃん!・・・覚えてるか?」と笑顔で駆け寄ってきたのは会いたくないメンツの一人小宮だった。

小宮はガタイがよく肌も黒い。小さい頃から喧嘩も強く正直苦手なタイプだった。

「おー、小宮じゃん。久しぶり。」と苦笑いをすると小宮が急にヘッドロックをしてきた。

「おいおいー!小宮くんだろぉー?どうしたの急になれなれしくなって。覚えてないの?学生時代?」と笑いながら気持ちを

揺さぶってくる。もうひどく前の出来事だったがよく泣かされていた思い出がよみがえり不安になる。しばらく黙っていたが

離す気配が見られないので精いっぱい平静を装いながら答える。

「、、、ごめんごめん。久々だったから。。。覚えてるよ、小宮くん。久しぶり。」とつくり笑いで返事をする。人目もあるから

か、それだけで満足すると岸を離し小宮が話し出す。

「ほんとだったんだな。お前が地元帰って来るなんて。俺が恋しくなったのか?」とわかりきっている答えだろうに笑顔で話

し続ける相手に思わずイラつきを隠せなくなった。

「仕事の関係でね。。。一時的に戻ってきただけだよ。しばらくしたらまた東京だよ。たまにはいいかもしれないね・・・落ち

着いてててさ。」悪気のない言葉なのは分かりきっているが小宮が岸をいじめるには何を言っても無駄だった。

「悪かったな。落ち着きすぎてる田舎でよ。都会に少し行ったらもう都会人気取りやがって。」あからさまに機嫌の悪い反応

をする。とんだヤクザもんだ。このままではまずいと思い話しを変える。

「そんなつもりはないよ。地元もいいもんだなぁって意味で言ったんだよ。小宮くんはいまどうしてるの?」と話しをふる。

「俺か?今俺はここで昔の仲間と色々やってるよ。ここを歩いてたのも、パトロールみたいなもんだな。」この答えにはぞっ

とした。おそらくチンピラまがいのことでもしているのだろう。あまりかかわらないほうがいいと思い逃げようとしたが、捕まる。

「おい。どうして急ぐんだよ?」顔を近づけて怖い顔している。

「いや、、俺、急いでるから。。。」理由が出せないあたり嘘なのは明白だった。しかし、小宮は相手をビビらせられればそ

れでいいのだ。もともとこんな真昼間から問題を起こす気などない。

「そっか。そっか!悪かったな!都会野郎は忙しいよな!早くいけいけ!」と大声をだしやんややんやと騒ぎ出す。これ以

上かまってなどいられないと思った岸は駆け足で逃げ出した。

「学生のころとかわんねーな!弱虫幸平――!!!」

思わず泣きそうになってしまいながら角を曲がる。なんでこんな年にもなってこんな思いをしないといけないんだか。。

ここで小宮とあってしまったばかりに、岸は神男に選ばれてしまうのであった。

小宮は村の若いやつらを牛耳っていた。若いやつらから金を集めさせたり自由奔放であった。そのため、岸の悪い噂を流

すなどわけもなかった。

また小宮は、良い顔を作ることも得意であったために村の有力者からもうまく気にられており、今まで尻板祭の神男には

ならないでいた。

神社の神職にも都会から帰ってきた岸の情報が耳に入る。その情報はいじられたものだった。神職のおじさんたちは、岸

が子供の時も知っていたので少し渋っていた。

「そうか。。。なるほどねぇ。岸が、田舎もんだと周りを馬鹿にしているのかぁ。おとなしい子だったし考えずらいんだがね

ぇ。」と話し半分に情報を得ていた。

しかし、神職の中にも都会=けがれている場所だと思っているものもいたので、赤尻祭にはぴったりだとはやし立てる。そ

してとうとう神男に任命をもらうのであった。


赤尻祭~準備~


連絡が来るのもそう時間がかからなかった。赤尻祭には参加しないで都会へと行ってしまった岸であったためにあまり実

感がわかないでいたが内容は知っていたため驚きもすごかった。

「えーーーーー!」と聞かされた時は声も隠さず叫んでしまったほどだ。なんで自分が・・・

「おう。岸の坊ちゃん!逃げちゃだめだぞぉ!地元の祭りに参加してこそ帰ってきたのが実感できるってもんだ!」と連絡

にきたおじさんがはやし立てる。

「そうはいっても、、、参加したことないし。。」としぶっていたが、おじさんがここで攻撃に出る。

「やっぱり、都会じゃこういったのはやらないってことかな。もう地元は忘れたんかねぇ。」と声の質を変え独り言のようにい

う。聞こえてるのは分かっているのだろうが。。。

「いや、出ますよ。別にそういう意味で言ったんじゃないんですから。。わかりましたよ。説明とかって聞けるんです

か??初めてでよくわからないんです。」

後は、とんとん進んでいった。

祭りの当日、褌の付け方から教えてもらう。褌の付け方もわからないのは、相撲大会などもあったが、体の弱い岸は体調

不良を理由に辞退することが多くほとんど参加したことが無かったからだ。現在は、大人になり病気もなく、もともとで歩い

て町を把握するのが好きな岸は体つきも成人男性の標準ともいえるべきものとなっていた。

褌の付け方を教えてくれたのは岸のことをよく知っていた人物だった。相撲大会を辞退して周りの友達から離れて悲しそう

にみている姿は中々に大人の心配をかう。そのときによく慰めてくれた人物が今回教えてくれる人物、神谷だった。神谷

は、神男の赤い褌を付けるのを手伝い、形を整えると、「いっちょあがり!」と尻タブをぱぁーんと一発叩き終了を告げ

る。「痛いよ。神谷さん!」と声を出す岸に、「しばらく見ないうちに、立派になったねぇ。あっちもちゃんと一人前の男だ

な。」とちょっとおどけた笑いを見せる。まったく、と苦笑いをしながら岸も返事をして一息を入れる。開始までまだ時間があ

る。神谷には確かめたいことがあった。

「まさか、岸くんが神男に選ばれるとはねぇ。やっぱり都会のほうは忙しいのかい?」声をかける神職。なつかしい人物で

あり、数少ない田舎の癒し人物に岸も喜ぶ。

「神谷さんとここで会うとは僕も思ってなかったですよ。うれしいです。都会は確かにギスギスしてる人もいますけど、いい

人もたくさんいるし楽しいですよ。」と笑顔を見せて話す岸にやはり腑に落ちない神谷さんが聞いてみる。

「あのさ、、岸君はさ、この田舎嫌いかな?古臭くてださいとかって思うのかな・・・?」と声をかけてみる。

「うーん、都会は確かにものもたくさんあるけど、もので比べるとかじゃなく、今いるところの良いところを見つけられればそ

れでいいのかなって僕は思いますけど。。ここはここでたくさんいいところもあると思いますよ。僕は。」

そんな答えをきいて、神谷は考える。

「(うーん。やっぱり岸くんだなぁ。昔からこの子は偏った考えを持たないよう心掛けている風潮がある。こんな子が誰かを
馬鹿にするとかないと思うんだがなぁ。。。)」

ここで、神谷はより踏み込んでみる。

「あのさ、、実は、今回岸くんが神男に選ばれたのって都会から戻ってきたからってのがあるんだよね。聞いてたかな?」

この問いに岸はため息交じりに答えを返す。

「、、、あー。そういうことだったんですか。なんで急にこんな形になったのかよくわかんなかったんですけど納得しました

よ。まだ帰ってきて間もなく、小宮に会ってすぐだったからほんと驚いたんですよね。」と話す岸に神谷さんが、気づく。

「あれ?小宮にあってからって、それ以外の人物とはあってなかったの?」

「そーですね。神男って僕が帰ってきてからほんとすぐに決まっちゃったから。。。決まった後はほかの友人とも会いました
けど。」

「、、、それはおかしいなぁ。小宮からの言い分だと岸くんは昔の友人を田舎もんだと馬鹿にしてたって聞いたんだけ
ど。。。」その言葉をきいて思わず岸が発言する。

「そんなわけないでしょう?むしろ僕は都会かぶれだってばかにされてたくらいなんですから。会ったのだった少数のほんと仲良かった奴だけですよ。」

、、、ここから流れが変わる。


赤尻祭~悪い子はだれだ?~


赤尻祭は寒い3月、まだ雪が降る時期に行われる。参加者はそんな中白い褌ひとつで参加することになる。家で着替えた男たちは最初こそ寒そうにしているが駆け回り仲間と合流することで強がり笑い群れとなる。

雪が降り、白い褌をつけた小宮はもともと黒い肌が一層黒く目立ち悪魔のような巨体だった。喧嘩ばかりしてきたから
か、体も自然と筋肉質であちこちが盛り上がっていた。

「小宮さん、すげー筋肉ですね!かっこいい!」と取り巻きに言われ機嫌よく笑う小宮。

「まぁーな、俺はほかのやつらとは鍛え方が違うからな。」とポーズをする。他の参加者も思わずおーっと見とれる。しか
し、見とれるのは筋肉ばかりではなかった。目立ちたがりの小宮は子供のサイズの褌を選びわざとぴちぴちに褌を付けて

いた。もともとでかいほうである小宮はそのパンパンに膨れ上がった褌の前を見せつけすごいだろ?といわんばりに突き出して歩く。

「今回の神男はどうやら軟弱なやろうみたいだからしっかり俺らが教育してやんないとな。そうだろみんなぁ!!?」と声を高々と上げる。

今回の参加者は少ないものであった。小宮の取り巻きである若者グループばかりで中年の男たちはごく少数であった。岸がどういう人物なのか皆わかっていたためだ。すくないグループは都会に偏見をもった男だけであった。

「それにしても今年の神男は準備がおせーなぁ。ビビって逃げちまったのかぁー」とさすがに寒さを隠せないのかいらだちを見せ始める。確かにすでについてから30分以上待たされているのだ。

~30分前~

したで参加者たちが集まり、待っているのを神職たちはみながら状況を整理していた。

「確かに、比較的若い奴らばかりだな。しかも、ちょくちょく問題起こしている連中もいるなぁ。」という者や。

「岸くんは変わらないねぇ。都会に行ってすさんでしまったのかと心配してたんだよ。」と

いう者など、状況が徐々に岸のほうへ好転してきていた。悪い噂のない小宮だったが、どこか本音を出していない感じが
完全には神職たちをだませてはいなかったのだ。神谷の声掛けにより、小宮による、岸をはめるための神男選びだったの

だと皆が気づいたのであった。
また、神職たちが話しを聞いてみるとどうやら岸はこのお祭りの後しばらくは地元にいられるが、東京に帰ったりと中々地

元にいられないらしい。小宮はこの岸の状況にも目を付けたのだろう。神男がいないときは祭りの後の尻叩きも受けないで済む。祭りの後は一年間、神男が皆の尻を叩くが、やむを得ず席を離れる場合は基本叩かれることはないのだ。

うまいことをいって逃れるに違いない。かといって、今から神男は変えられない。
ここで、岸が動き出す。

「ここの神社のつくりを細かく教えてくれませんか?」
そう、いつもより開始が遅れたのは神社の土地について詳しく岸が聞いていたからであった。

・・・・・そうして、祭りが開催される時間となった。

赤尻祭~捕まえられない時は・・・~

下で待っている小宮たちも寒さにやられ始めていた。

「う~、、、いくらなんでも遅すぎる!!ちんこが縮こまってしょうがねぇぞ!!」と荒く声をあげる小宮。今日は雪も中々に振っているためその寒さもすごいものであった。体からは湯気がたっていた。

「あ!!神男だ!!来たぞー!!」という声を聞き、ニヤリと笑う小宮。
「あいつ、逃げなかったか。。ふふ。また泣かせてやるか。」いじめられっ子だった岸はなんと尻を同級生に叩かれたことも

あったのだ。
赤い褌に上着と仮面をかぶった岸が上から開始の合図をだす。これから一時間、笛の合図がなるまで岸はしたの参加者

から襲われることになる。

うおおおお、と声がこだまする中岸にめがけて男たちが駆け寄る。しかしすっかり凍えきってしまったからだで思ったよりも早く動けない。最初は驚いた岸だったが、地図をしっかり頭に入れ逃げ出す。もともと、地形の把握は得意だった。


~数分後~


皆が当初、神男がいた位置にやっと着くと神男の姿はなくなっていた。しかも運が悪いことに足跡がすでに無数に残されており追うことができない。

「むう・・・なんでだ?この時間でこんなに残せるものなのか?」と小宮が怪しむ。
そうすでに神職たちが後を追えないよう無数に足跡を残しておいたのだ。小宮は知り合いから足跡を追うすべを教わって

いただけに出鼻をくじかれ沈黙する。
「小宮さん、、、あいつどこいったんですかね?」と取り巻きが聞くとイラついた小宮が

「うるせぇな。自分で考えて探せ。おいお前らぁ!!手分けして捕まえるぞ!!!捕まえたらバチィーン!とみんなが聞こえるくらい強烈なのお見舞いしてやれ!!」と意気込むと群れがちった。。すぐに見つかるだろうと思っていた小宮だった

が、なかなか見つからない。
30分は越えたであろうあたりから焦りとイラつきが出てくる。すぐにでも捕まえてみんなの前で泣かせたい願望のあった

小宮だったが、ここでふとこの祭りのルールを思い出す。普段ならどんな状況でもうまく切り抜けてみせる自信はあるが、今回ばかりは予想外で考えていなかった。あんなに弱虫だった奴に俺がやられるわけない。

「お前ら気合いれろぉ!!神男に気合入れんだろぉ!!」と叫びあたりを駆け回る。
岸はその時屋根裏のさらにその裏の板を外したあたりにいた。そう神社の中にいたのだ。

もともと中にいてもいいので、参加者たちは中にも入ってきて、そして屋根裏も見ていたが、その一部の板がはずせてさらにはその中にいるなんてことは知らなかったのだ。さすがにこれは岸も屋根裏に行ってから気づいた。気づかれるか少し

不安だったが、焦ると人は確認が甘くなる。何度か屋根裏を確認に来るものはいるがよく見まわさずいないと言ってすぐいなくなっていく。またしばらく時間がたち小宮のイラつきがとうとう限界にまで達していた。

「お前らちゃんと探してんのかぁ!?俺が先に気合をいれてやる!!」と言ってすれ違う参加者の尻を思い切りひっぱたき

だした。

ばちーーーん!

イデーー!!」と尻を押さえて走り去っていく参加者。寒さもあってすぐに痕がべっとりとつく。小宮は

もうやけくそになっていきすれ違いざまに色々な人の尻を叩き襲っていった。参加者たちもこれではかなわんと走って探し
回るが、焦るほどに見つけられず。。
とうとう時間が来てしまった。。


ピィロロー!!!!


小宮にとってはあまりのことに頭が真っ白であった。

「・・・ウソだろ・・・」
岸にも笛の音が聞こえ、安堵のため息がでる。また周りの者たちも自分たちの尻がひとまず叩かれずにすむと安堵の声

をだした。

神社の中央の開けたところへみなが集まる。神職たちもそろい皆が神男が来るのを待つ。神社の中から神男が出てきて思わず小宮が襲いそうになる。

「てめぇ!!!どこに隠れてやがった!!卑怯だぞ!姿もみせないなんて!!」と遅いかかろうとするが皆に抑えられる。
「もう時間はすぎた。下がれ!!!」と元の位置まで戻される。

恐れていた岸だったが、抑えられる姿をみて安心する。正直みなでも抑えられないと思っていたからだ。普段だったらそう

だろう。しかし、今はみな小宮に尻を叩かれて不満をもっており小宮は四面楚歌状態であった。また動き回り疲れも出ていたのだった。

一部の神職たち、そして参加者たちのおじさんたちも小宮の様子を見てようやく誰が悪いのかを理解していた。

「みな、よくぞ集まった。神男がおいでになったぞ。神男よ。こちらへ。」と中央に置かれたたるに水がためられている。そこ
へは入れということか。
そこへはいると神職たちが近寄り触りだす。

「今回、どうやらだれも神男を叩けなかったようだな。これに異論があるものがいるか?」

と皆に声をかける。異論などあるわけがない。だれも叩けなかったのだから。

「そうか。みな、神男ではなく、自らが、厄を招いたというのだな。よろしい。皆並びなさい。厄を落そう。」そういうと警策をとりだす。そう、あの座禅などで使われる棒だ。これで、皆気合を入れられるのだ。

、、、、しかし、今回の奇祭では、このまま進まなかった。

最初に叩かれる準備をする者の尻をみて、神職が声をだす。
「なぜ、尻がすでに赤いのだ?」と声をだす。

そう、普段の奇祭ならばまだ尻が赤いわけなどないのだ。
「、、そ、それは、、ぶつけたからです。」異様な空気を発したので本当のことを言おうと思ったが、小宮の睨みで思わず嘘

をつく、とりまき。しかしそんな嘘が通じる相手ではなかった。また、小宮の強いスイングによりくっきりと手形が残ってしまっていたのだ。

「そうか、皆、後ろを向きなさい!」神職たちもわかっていたのだ。これですぐに名前を言わない。つまり脅している人物がいるということを。そしてその人物だけが、尻を白くしているということを。さすがに追い詰められた小宮は言い訳を考え

る。そうしている間にも神職が皆の尻を確認していく。一人でも逃れていれば疑いをそらすつもりでいたが、小宮は皆を叩

きすぎていた。すぐに手形のない尻がばれる。

「お前、なぜ、お前だけ尻に叩かれた跡がないんだ?」ときく。

「それは、おそらく、俺をはめる奴がいたんだ!!」と小宮は言う。

「俺だけ叩かれないことで誰かが叩いていたのを俺のせいにしようとしていたんだ。」思わず言ったもののこれは小宮にもすぐミスだとわかる嘘であった。小宮は手もでかい。これだけの手形を残せる人物がほかにいるのだろうか。それはすぐ

にでもわかる嘘であったが神職は落ち着いた反応であった。

「よし、わかった。これから犯人を捜す。この神男をただす機会に参加者の尻を叩く、妖怪に取りつかれたものを見つけ出
すのだ。」と声を荒げた。今までこんな赤尻祭の方向はなかった。

「ここまで、赤く手がたが残っているやつだ、すぐにわかるだろう。来なさい。」そう言うと小宮は木に手と足を縛られる。ここで小宮は確信する。はめられたのは自分だったと、しかしまだ希望は捨てきれない。冷静を装って神職に声をかける。

「何をするんですか?」普段使わない言葉使いに自分でも笑ってしまいそうだが、できるだけ丁寧にきく。
「聞いていればわかる。皆、よく聞け。今から皆の手形の犯人を見つけ出す。今この場にいる皆が一つずつ平手を与える

のだ。同じ手形が出たときそれが犯人とわかるだろう。」
という。小宮はやはりはめられたのは自分だと悟った。同じ手形の人物が出るわけがないのだ。。。自分が叩いたのだか

ら。。どんな言い分を話すか考えを巡らせているうちに一人目の取り巻きがやって来る。さすがにこの距離で睨んだらばれるので不安そうな顔で見つめるがじゅうぶんとりまきは怖がっていた。そう何を仕返しされるかわからないからだ。

「さぁ、手形を残すのだ。」と促され、パチンと叩く。それはあまりにも弱く、手形が残るものではなかった。
「手形を残さんといつまでも終わらないぞ!!!!」と怒鳴ると叩いたやつの尻に警策がパチィーーン!!と炸裂する。こ

れにはたまらんと一人目がパチィィィン!とよく響く平手を尻に叩きつける。
「ふむ。お前の尻も見せてみろ。。違うな。。次!!」

と一人目が始まればもう早い。皆あきらめて思い切り尻タブに叩きこんだ。一発だが、渾身を込めた一撃はそう軽いものではない。最初は残っていた尻の白さもすぐに真っ赤に埋め尽くされる。しかし、これで許す神職ではなかった。この機会

に小宮を徹底的に懲らしめると決めたのである。
「そろそろ、尻が真っ赤でわからないだろぉーー。もう犯人捜しはいいんじゃないかー?俺の尻いもう白いとこあまってねーよー。」

といい尻を見るしぐさをするが、離さない。

「皆が一周するまでは続けるんだ。私たちには見えるから問題ない。」
そう言い放ち、参加みんなの一撃を小宮にお見舞いしたところで話が進む。

「そうだな、皆すまないが、もう一度頼む。確信を得るまで続けたいのだ。」これには皆が驚いた。そう小宮自身が認めるまでこの仕置きが続くことを意味しているからである。

さすがに小宮も切れてしまいそうだったが、縛られた状態ではこちらの部が悪すぎる。考えを改め謝ることにした。
「す、すいません!!俺がおれが叩きました!!」といいだした。小宮はこれでひとまずことが終わると思っていたのだ。

バッチィィーーーン!!と神職の一人が、「なぜ、最初に言わなかった!!」と警策を叩きいれた。「それは、、、それは、、、」と考えを巡らせているうちに次の警策が繰り出される。

バッチィィィィン!!・・・・すでに尻はかなり痛い状態ではあったが、警策による一撃はすさまじく考えていることが真っ白になってしまう。すでに赤い尻にさらに色がべっとりとつく。もう一

度考えを巡らすがすぐに次の一撃が来て考えがまとまらない。

バッチィィィィン!!

「・・・くぅ!!・・・それは、、、」

バッチィィィィン!!・・・

しばらく、このやりとりが続いた。それこそ尻に感覚もないであろう小宮がとうとう本当のことをいいだしたのだ。

「神男を捕まえようといらだってたんだよ!!」
そういって更なる一撃がくると思っていたが、そこでぴたっと一撃がとまる。

ふと神職をみるともう腕を振り上げていなかった。
「・・・そうか。なら次回は、周りを叩かずに辛抱して頑張りなさい。わかりましたね?」というと叩くのをやめた。こんなにあっ

さり終わるのなら、初めからやりましたと言えばよかったと拍子抜けする小宮だったが、まだ赤尻祭は終わってないのだ。すっかり神男としての立場を忘れて小宮のお仕置きを見入っていた岸だったが、祭りも終盤に向かうようだ。

「それでは今から皆、準備をしなさい。」そういうと、水の入ったオケに褌を入れるように促す。後日取りに来たら神男からもらうためだ。ここからはフルチンで帰らなければならない。しかし、尻が赤い状態で帰らなければならない屈辱に皆が震

えていた。そんななかすでに尻が真っ赤な小宮はわなわなと苛立ちを表にしていた。しかし、今小宮は恐れていた。まだ縄がほどかれないからだ。皆褌をはずしオケに入れたが自分はまだ入れられない。話しが進むのが妙に怖かった。

「それでは、いくぞ!」とというと、前かがみにさせた参加者の尻を打っていく。一人5発程度だろうか。しかしフルスイングのため、尻にはべっとり痕が出来上がっていく。埋め尽くすには十分な数だった。これを小宮はしばらく受け続けたの

だ。痛くないわけがない。
打たれたものははやばやと階段を下りて帰っていく。この後は家に帰るのだ。家までフルチンのためダッシュで気まずく帰

っていく。これが神男を叩けていたならばみな並んで帰れたが、それもかなわず皆散っていった。また、後日褌を回収しに行くのだ。気は皆重かった。

一人ずつ参加者が減っていく中で小宮はどんどん不安が広がっていった。こんな雪の中褌ひとつで確かに尻はホカホカだが寒さもつらく疲れもひどかった。

「おい!俺はどうすんだよ!?認めただろ!!!早く縄ほどけよ!!」そう叫んでいる小宮を取り巻きたちは心配そうに見つめるが結局叩かれて戻って行ってしまった。

「くそ!!あいつら。。。覚えとけよ。。。」そう小さく文句を言いながら自分が今後どうなるか不安に思い終わるのを待っていた。

皆が叩かれ終わり、参加者みんなが階段を下りていくと、神職たちが小宮を囲みだす。
「おい。お前ら、どうすんだよ。」と開き直りつつある小宮が睨む。

「お前は、、、煩悩にまみれているな。今からお前の邪気を払うために、108打、この警策をくらってもらう。」すでに真っ赤な尻に何が行われるかわかった小宮は思わず叫ぶ。

「ふざけんな!!もうあれだけや・・ああっぁ!!!」

パァァァーーーン!!!

すでに振り上げていた腕を小宮が言い終わる前に叩きいれる。その一発は今までと違い音も派手で威力もさらに上をいく

ものになった。持ってきていた警策は先ほどのとは違いさらに大きなものであった。この大きな音はまるで除夜の鐘であった。降りて行った者たちも小宮が叩かれていると察した。そのまま逃げるように帰えるものもいれば、いったいいくつくらう

のか音を聞こうとするもの、また覗きに行こうとするものなど様々であった。

パァァァーーーン!!!・・・・・パァァァーーーン!!!・・・・・・・パァァァーーーン!!!・・・・・・・・パァァァーーーン!!!・・・・・・・・・・パァァァーーーン!!!・・・・・・・・・・パァァァーーーン!!!・・・・・・・・パァァァーーーン!!!・・・・・・・・・・・パァァァーーーン!!!・・・・パァァァーーーン!!!・・・・・・・・・・パァァァーーーン!!!

小宮が何を言っても住職たちは聞き入れず尻を打っていく。すでに尻からは出血もしていて痛さがうかがえる。岸は、最初は戸惑っていたが、徐々に興奮していき、あの小宮の弱った姿にぎらついた何かを覚えていた。

パァァァーーーン!!!

途中から、涙も流しぐったりしている小宮の縄をほどき神社の中へ連れていく。
風呂場へ連れていくと風呂の湯をかける。散々暴れたが体はすっかり冷えてしまっているのだ。尻についた血も流し、小
宮に声をかける神職たち。

「おい。しっかりしろ、、、ちゃんと反省したか?」と呼びかける。
しばらく、考えた後、根をあげた小宮はこくんと頷いた。しばらくして、小宮も帰って行った。その際、神職たちは受け取れな

いと小宮の褌を返したが、これには小宮も納得がいかない。
「悪かったよ。ほんと悪かったって。反省してるからこれも清めてくれよ。俺だけ参加してないみたいじゃんか。」

「これも罰の一つだからな。受け取れない。今回は参加不可として帰りなさい。」
と言ったが譲ろうとしない。

「わかったよ。清めなくていいよ。だからほかのやつらみたいに受け取らせてくれるだけでいいんだよ。頼むよ。」
とりまきが下で待ってるかもしれない。そんな時自分だけ褌を身に着けるというのもなんだかしまりが悪い。

「・・・わかった。とりあえず受け取ろう。しかし、お前の望む形にはならないと思うがね。」というとあまり考えず小宮は感謝を述べて置いていった。

「なかなか更生しないでしょうねぇ。あいつは。」
「何を弱気なこと言ってるんだ岸!お前は神男なんだから!一年間はあいつをしっかりしつけてくれよ!!」と背中をバン
バンと叩く。

降りて行った小宮に何人かの取り巻きが近寄っていく。
「小宮さーん、音聞きましたよ!大丈夫でしたか!?」と駆け寄る。

「余裕だよ。あんなん、ケツにバシーと来たけどへっちゃらだったね、もう帰っていいってよ。ほら帰るぞ。」と皆をせかす。ほんとは尻が気になっていたが、泣いたことも隠し強がる小宮であった。

「岸の野郎はどうしますか?神男になるときにきっちり締め上げるつもりがくるいましたね。」
「結構まずいな。あいつはもともと東京暮らしだ。しょうがねぇからいる間はあんまり派手に動かないようにしておくか。」

と、各々かえって行った。


赤尻祭~後日~


数日して、神社をさけている小宮ととりまきだったが、ここで小宮のプライドを打ち砕くことが起きることとなる。
何日もたっても小宮は褌をとりにいかなかった。また手下の連中にも取りに行かせないようにしていたが、家にまで神職

が来ると言われたと言って行ってしまうとりまきが増えていった。「小宮さんのところには来なかったですか?」と聞かれるも本当は受け取ってもらうのも大変だったとは言えず、「あいつらビビってんだろ。来てねーよ。」と強がっていた。

本当は小宮も褌をとりにいかないといけないのだが、神職、そして神男に叩かれるとなる可能性を恐れていたのだ。そんな中でも、今からどう岸を追い詰めようか考えながら町をうろうろしていた小宮であった。しばらくすると、手下の一人がや
ってきた。

「小宮さーん、やばいっすよ。早く褌とらないと!」何を言っているかよくわからない小宮は事情を聞いて神社に立てかけら
れている掲示板にまでダッシュをする。何人かの見物人がくすくすと見て笑っていた。

< 子供用褌の忘れ物 >
と書かれ、小宮の褌が飾られていた。参加する際、どの褌が自分のかわかるためにフルネームを書いているため誰のかなどは村の人物は分かってしまう。小宮は自分のイチモツを立派に見せつけるために子供用を確かにつけていたが、これではまるで・・・・
「・・・くーー。」顔を真っ赤にして小宮は褌を引きちぎると周りの連中を無視して中へと入っていく。しかし、これがいけなか

った。
神社の中はあまりにも多勢に無勢だったのだ。神男を見つけるころにはすでに周りは囲まれていた。

「やい!俺の褌をこんな風に晒しもんにするなんてひでぇじゃねぇか!神男さんよぉ!!」と声を荒げると、
「大人が子ども用の褌を付けるのは規定違反だ!」と岸が言う。もう岸も小宮を恐れていなかった。

「おい、岸!!わかってんだぞ。お前だってのは。」と怖い声をだすもすでに遅すぎた。そして状況が悪すぎる。数人程度だったら確かに小宮でも勝てたが、ましては神職となると通報される危険性もある。

「手を放すんだ。」と逆に睨み返す岸に小宮はとうとうあきらめた。
「わーかったよ。帰るよ。じゃーな。」と去ろうとしたが神職たちに止められる。

「規定違反の罰を受けていない。」すでに仲間はあきらめムードなのを感じた小宮もすぐにあきらめた。
「なんだよ。どーすんだよ。」

「他のやつらは褌を受け取って帰ってもらおう。神男。お願いします。」
そう言ってしゃもじのような大きい板を渡す。その後は刑罰のような光景だった。

前かがみになった男の尻をこれでもかと叩き続ける神男。すでに岸は一人前の男であったために腕力も決して弱くない。その一撃一撃がすぐに色、そして音になってあらわされる。すぐに取り巻きに一人が泣きそう涙をこぼしているがそれ

でも尻叩きは終わりそうにない。とうとう逃げようと大勢を崩したところで、捕まり連打をくらう。
「あああああー!!」バシバシバシバシ!!!と赤い尻に白い後も複数残った状態でやっと解放された。「よし、次だ。」そ

う言って、とりまきのひとりひとりに、尻叩きの刑を執行する神男は、小宮たちの知っている岸ではなかった。
とりまきの連中に褌をなげていう。

「子供が一人いたな。来なさい。」そういうと、皆は自分で態勢をとらされたのにどうやら小宮にひざのうえに来いと言って

いるようだ。

「ハハハハハ!!!おい。お前マジか!!!俺を膝の上でってマジかよ。笑わせんなよ!」というが、すでに戦意喪失の手下からは笑いもおこらず、小宮から笑顔が消える。

「早くしなさい。お尻を叩かれる数が増えるだけだぞ。」ほんとに子供に話しかけるように言ってくる岸。小宮がそれを許すはずもなく逃げようと暴れるが、皆に抑えられ無理やり膝のほうへと引き寄せられる。ズボンとパンツを無理やり膝上あた

りまで下ろされる。
「また、木に縛られて叩かれたいのか!!?しっかり反省しろ!!」そう言うと、靴べらのようなはたまたブラシのような小

さい板で尻を殴打した。
バシィィン!バシィィン!バシィィン!バシィィン!バシィィン!バシィィン!バシィィン!バシィィン!バシィィン!バシィィ
ン!バシィィン!バシィィン!バシィィン!バシィィン!バシィィン!バシィィン!バシィィン!バシィィン!バシィィン!

小宮が落ち着くまで連打をやめない気なのだろう。興奮していた小宮だったが徐々に尻が赤く腫れ上がり痛みのほうが勝ってきたあたりで降参する。

「!!!つぅ!!!っ!!!あー、!!わかった!!わかった!ちゃんと受けるからもう勘弁してくれ!!」
そういうもののの止まる気配が見られない。しっかりおとなしく受けるしかないと黙ってしばらく尻を打たれ続ける。すでに
尻は真っ赤に腫れていたが、まだ祭り当日のようにまではいっていない。

「よし、しっかり罰を受けるんだな。一度立ちなさい。」そう言って立たすと手首に縄をかける。これには小宮も嫌な予感しかしなかったが逃げることはできなかった。

「俺さ、本当に反省してるから返してくれよ。尻も叩かれるからさ。おい。。。どこ行くんだよ。」そう言って弱気になる小宮だったが、ズボンとパンツをあげる間もなく外へ連れていかれる。。。。そうなんと、行くのは神社の掲示板の横だった。

なんと、岸がお仕置きの場所として選んだのは子供用褌の飾られていたところだったのだ。
今来ているのは祭りで褌をとられた者たちばかり。そうつまり今回参加した小宮の手下ばかりなのだ。その前でお仕置き

をしようと岸は判断したのである。神職たちと掲示板のほうへ行くと小宮の手下たちが驚いている。自分たちのトップが股間を晒しながら引っ張られているからだ。しかも、神男たちによって。

「いやだ!!やめろ!!ちくしょー!!」そう言って座り込む小宮だったがすでに遅い。縄を引っ張られ引きづられている。
「受けるって言っただろう!最後まできちんと受けるんだ!!」そう言って掲示板につくと、大きな声でお仕置きの宣言をし

た。小宮の心はこの時、折れた。
「ここにいる男、子供の褌をつけ祭りに参加した。神社に偽りを働いたこの男に、子供の罰を与える。」そう言って、膝に乗

せると、平手で尻を叩きだした。すでに尻は板により真っ赤だったが、痛みではなく、恥ずかしさで小宮を懲らしめるつもりだった岸には十分であった。

バシィ!バシィィン!・・・「まったく、悪い子だぁ!・・・悪い子だ!」
バシィ!バシィィン!バシィ!バシィィン!・・・「しっかり反省するんだぞ!」
バシィ!バシィィン!バシィ!バシィィン!バシィ!バシィィン!・・・

急きょ響いた神社から聞こえる音に人の目線が集まる。また、子供に説教するように話しかける神男に、小宮はとうとうあきらめた。
「子供はこどもらしく、お尻ぺんぺんは百回の刑だ!」そういって、最後にベシィーン!と手形を付けるように平手を押し付

けて、立たせる。

「ずっと黙ってちゃ、反省しているかわからないぞ。」そういってまだ、ズボンもパンツもあげることを許されないまま返事を待たされる。小宮はもう相手にするのをやめようと決めていた。さっさとこの場を離れ距離を一刻でもとろうと考えてい

た。黙り込みを決めた小宮に岸が残酷なことを言う。
「しばらく、ここで反省!」そう言うと掲示板のところに縄を括り付け神社の中に戻ろうとする。黙り込みを決めていた小宮

だったがたまったものではなかった。
「・・・・くそっ!!」結局、下半身は裸のまま放置されることになった。もともと関係者ばかりのこの神社で小宮は助けてもらえると思っていたがここでさらに小宮を追い詰めることが起きる。

「・・・おい!お前、、、山本だろ!?、、、な!!!、、この縄きってくれよ。俺とお前の仲だろ?」そう脅しめいた声を出すが、今となってはそれも脅しにならない。
「小宮、、お前、今の状態わかってんのかよ。。お願いしますだろ?」と少し調子に乗ってしまった山本だった。

「・・・おい。山本。お前調子のってんじゃねぇぞ。。余計なこと言ってねーでさっさと縄切れよ・・・」と脅すが、これには山本も怒る。
「嫌だね。だれもお前のことなんて助けねぇよ。散々調子のってた割にはこんな終わりだなんて、なさけねぇなぁ。」とまったく恐れない山本に今度は小宮が恐怖を感じる。

今まで脅せばみんなおびえていた。その状況が今一変する。悪い笑みをする山本に驚いた小宮は周りを見渡す。みな助けようとしている目ではなかった。

「・・・・おい。。お前ら・・・・なんだよ・・・おい・・来るなよ。おいなんだよ!その目は!!!」
「・・・おい。小宮よぉ、神社での出来事覚えてるかよ。。。あれ、みんな尻タブ痛かったんだぞぉ。ちょうどいい機会だから教えてやるよ。」

ぞろぞろと近づいてくる皆はまるでハイエナのようだった。
・・・しばらくして、神社にパァーン!と皮膚と皮膚のぶつかりあう乾いた音が広がった。

神男を含め、神職たちは音に当然気づいていたがしばらく、放置しておいた。いじめっ子体質だった小宮にお灸をすえるには少し残酷すぎる気もしたが、これくらいをしないといけないと思ったからだ。岸と神職たちからの罰ではなく、同じいじ

めっ子たちからの罰を受けないとこの手の人間は恨むだけで弱いものの気持ちを知ることはない。
パチィィーーン!と、音楽を鳴らすように乾いた音が広がる神社の一室で神男は神谷と話していた。「小宮のお尻叩いてどうだった?」と神谷が聞いた。

「正直、すごい気持ちが興奮してた。今まで怖がっていた相手をこんな風にできるとは思ってなかったから。」そういって、自分の手を見つめる岸を見て神谷が言う。
「最初は違和感もあると思うけど、岸くんなら大丈夫そうだね。いじめとか、恨みとかで必要以上に罰を与えたりしなさそう

だ。」
「十分やりすぎてる気もしますけどね。うーん。」そう言う岸いに神谷が忠告をする。
「中途半端が一番危険だから気を付けないといけないよ。それに、小宮だけじゃないんだ。神男は忙しいよ。これでへこた

れないようにしないと。」

しばらくして、掲示板のところに戻る。小宮はいつの間にかズボンとパンツを完全に奪われてしまったようだ。仲間だと思っていたやつらに裏切られたことで小宮はかなりショックを受けていたようだ。さっきまでとは違い、嫌悪感からのにらみでは

なく、怖がった目でこちらをにらむ。小宮にとって、岸は、すべてを奪った相手といっても過言ではないだろう。
「・・・小宮、お前、力に頼りすぎたんだよ。今暴力でねじ伏せられてどう感じた?」

そう話す岸に怒りをあらわにしながらも小宮は泣いてしまう。
「フーー、フー、フー、、、、怖かった。」肩に手をかけやさしく話し出す。

「お前、強すぎたんだよ。だから弱いやつの気持ちとかわかんなかったかもしれないけど、暴力は暴力でねじ伏せられてなんも残らない。」

「そうだな!!!お前も俺を暴力でねじ伏せたもんな!!!」と声を荒げる。
「そうだな。その結果がこれだ。でも俺も一年だけだ。神男の年が終わればまたいつも通りだからお前も手を出し放題

だ。そうやって繰り返すだけなんだよ。意味があると思うか?」
「意味とか関係ないね!手を出せないようにねじ伏せてやればいいんだろ!!お前も一年後には俺と同じような目にあわせてやるよ!!」

そう強がった小宮に岸が近づき耳元でささやいた。

「・・・俺も同じことを思ってたよ。あと一年よろしくな。」

小さいがしっかりとそう告げると小宮の顔をみて笑った。小宮の顔から絶望の表情が見える。

・・・神職たちなどに良い顔をしていたのは、小宮だけではなかったのだ。。


終わり。




最後暗いかなぁー。終わらせ方が難しー(´・ω・`)

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